「職員の意識調査」の結果

しゃくなげ荘では、「働きやすい職場作り」を実践していくために、ケアコネクトジャパンのケアカルテというシステムを活用しております。

このケアコネクトジャパンが設置運営している「地域ケア経営マネジメント研究所」があり、ここの研究所が試験的に実施している調査研究です。

しゃくなげ荘はこの調査研究に参加しており、そこから得られたデータを活用した取り組みをご紹介させて頂きます。


 
今回のテーマは…「仕事ストレス」について、第二弾です。

仕事ストレス(2)

しゃくなげ荘では、職場環境を良くするために「職員のケア」について色々と取り組んできましたが、より一層力を入れて取り組むようになったのは2009年ごろです。
今までのしゃくなげ荘の取り組みを松田美穂副施設長の話と介護士Kの気持ちを交えながら、少しずつ振り返っていきたいと思います。

賃金と雇用条件…(有給休暇・基本給・各手当の見直し)

私が採用された時の基本給は15万円を切っていました。
その後平成13年から数年間は正職員ではなく非正規職員採用であり、現在は正職員採用が当たり前になっています。

社会福祉振興・試験センターの令和2年度「社会福祉・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」(速報版)では、介護福祉士の平均年収292万で3割が「仕事の内容・やりがい」に満足と回答されております。
男性介護福祉士は平均373万円、女性269万円でした。仕事への満足度は3割越えだが、給与については3割近くが「不満足である」と感じられています。
しゃくなげ荘では、初任給の月額/年収計算例(令和2年度までの給与制度)で資格ありで年収3.703.704円(住宅・通勤手当含め)です。

令和2年4月に基本給の改善を行ないました。
そして、待遇改善とともに業務改善・人間関係についての改善も図ってきました。

有給休暇の取得については、ベクトル調査には「取りにくい」とか出ていましたが、昔から勤めている私からすると、とても取れています!
自分が新人の頃、1月に採用され3月に法事があり有休を使い実家に帰ろうと思っていたら、先輩職員から「新人は有休を取るものじゃないよ」と言われました。
2019年4月から有給休暇が義務化となり、10日以上有給がある労働者には5日以上取得することが義務付けられました。
ちなみにしゃくなげ荘では、義務化になったこともありますが令和元年には有給取得割合は81%であり、令和2年度には92%となりました。
今後も100%を目指していきます。

初任者研修…(新人指導から新人サポートへ)

現在では、“新人職員一人ひとりに合わせたプログラムやサポート体制”にし、サポート期間は3~4カ月ほど初任者研修にしっかりと時間をかけております。

チーム作り…(リーダー職を行なう私たち)

平成26年から「コミュニケーション勉強会」を行なっています。
この勉強会が、まさにチーム作りのための取り組みであり同じ課題を何度も繰り返し勉強していくことで、「緊密な上級ケアチーム」作りを目指しています。

スーパービジョン…(最優先課題)

自分の仕事について定期的にフィードバックを受けられる場を設けています。

現任者研修…(同じ内容を繰り返し勉強する。)

平成24年に職員の意識調査を実施し、その後も様々な検討事項を行なってきました。
「私たちの顧客は誰なのか?」「しゃくなげ荘をどんな施設にしたいですか?」と職場全体で考えています。

フィードバックって自分が望まない時にされると嫌ですよね。
言うの嫌だな…と思ったり、こんなこと言って嫌われたらどうしよう…とかいろいろ考えてたら面倒くさいなぁと思っちゃいます。
そして、フィードバックした後に伝わっていなかったら、「言わなきゃよかったな…」と悲しくなります…
でも、「やらなきゃいけない」となると、ものすごく力を使います。
しなくてもいいなら避けて通りたいところです(;^ω^)

少しずつですが、環境や待遇・サポート体制など改善されてきています。
毎年、人も変わりますし状況も変わっていきますが、“ここまでやったらokなどゴールがあるわけではない”と思います。同じようなところで何度も悩んだり立ち止まったりしてしまうため、繰り返し同じテーマを検討し、少しずつ前に進んで行きたいと思います。