「職員の意識調査」の結果

しゃくなげ荘では、「働きやすい職場作り」を実践していくために、ケアコネクトジャパンのケアカルテというシステムを活用しております。

このケアコネクトジャパンが設置運営している「地域ケア経営マネジメント研究所」があり、ここの研究所が試験的に実施している調査研究です。

しゃくなげ荘はこの調査研究に参加しており、そこから得られたデータを活用した取り組みをご紹介させて頂きます。

 

 
今回は、「仕事モチベーション」について2回目のご紹介です。

仕事モチベーション(2)

Q. スキル・能力開発のために自己投資をしている

結果を見てみると、「だいたいあてはまる」「よくあてはまる」が2019年は約2割だったのが、2020年には約4割近くまで増えています。しかし、依然として自己投資をしている人は多いとは言えないのが現状です。

そもそも、私もそうでしたが…
「勉強します!」 「~についての本を読みます!」
という目標を立てても、実際には何もしませんでした💦
その時には「やろう!」と思っていても、時間が経てばどんな目標を立てたのかも忘れてしまっていました…
これは反省ですね。
そうなんです、「やろう!」と思っていても、やらないもんなんですよね…
やらない理由なんて次から次へと出て来ますよ。
「面倒くさいな~」
「今やらなくてもいいんじゃないかな…」
等と考えてしまいました。
でも…
「今のままでいいし、変わらなくていい」
「変わる必要はない」
「今の生活に満足しているから、今のままでいいやぁ~」
という思いがあるのかもしれません。
こんなこと思っていたら「努力が足りない!」と言われるかもしれませんが…
生活していけるだけのお金をもらえているし、人に恵まれているし働きやすい職場だからなのかもしれません。
又、今の生活に満足できているからなのかなぁ~

これは、以前使用していた目標管理の様式です。
実際に記入して見ると、難しく書きづらかったです。
そこで、2020年に下記のよう変えました。
様式を変えたことにより、以前よりもわかりやすくなりました。

自分の目標とする姿を想像することができ、目指していくことが明確になりました!

Q. 将来の仕事やキャリアの目標を持ち、そのために行動している

2020年の結果では、「だいたいあてはまる・とてもよくあてはまる」が約3割と2019年よりは若干増えていますが、低い値となっています。
そもそも…
「ここで何年働きたいと思っているのか?」
「何年先の自分を想像できるのか?」
というところがわかりませんでした。
そこで、しゃくなげ荘の統計を取ってみることにしました。
結果は以下の通りです。

しゃくなげ荘の全体

1.入社当時、しゃくなげ荘で何年働こうと考えていましたか?

 

(1)2~3年 30%

  • 入社して、当時は何年働くか深く考えてなかった。
  • 2~3年は頑張らないとと、考えていた。
  • 当時、介護を続けているか、分からなかった。
  • 長く続けられる自信がなかった。
  • 3年働けば、奨学金を返さなくても良くなるから。
    とりあえず3年と思っていた。

(2)4~5年 33%

  • ケアマネの資格が取れたら転職しようと思っていた。
  • 奨学金があったので、3年以上は働くつもりだった。
  • 自分の、今後についてはっきりしていなかった。
  • とりあえず5年働こうと考えていた。
  • 体力的にだんだん辛くなるから。
  • 他にも、やってみたいと思う事があるから。
  • 結婚してからも、働けるイメージがないから。
  • 5年以上働くことは、考えていない。

 

(3)5年以上 17%

  • 地元で働きたいと思っており、5年ほど頑張ろうと考えていた。
  • 奨学金を返済する為。
  • 経験を重ね、できる事を増やし、沢山貢献する為。

(4)10年以上 20%

  • ケアマネの資格が取れたら転職しようと思っていた。
  • 働かせて頂ける限り、しゃくなげ荘で働きたいと思っています。
  • 給与面で安定していたので。
  • 家が近く、人間関係もよいので続けたい。
  • 特養で働いてみたい希望が叶ったので嬉しいのを覚えています。とにかく働きたかったから。

 

2.今の自分に当てはまるものを選んでください

 

(1)向上心 13%

  • ここまで働いたら、上に行きたいと思う。
  • 上の役割に憧れがある。
  • 若い時は、その思いが強く勢いがあった。

(2)ワークライフバランス 50%

  • 長く続けられるように、無理をしないで仕事を続けたい。
  • 今、現在、楽しく過ごしている
  • 今のままで特に困っている事がないから。
  • 上に行きたいとあまり考えていない。
  • 利用者の方が笑顔で生活できるように支援できたら、それで良い。
  • 仕事もプライベートも今のまま、両立していきたい。
  • 結婚したら、退職を考えている。
  • 上を目指していきたいという気持ちがあまりない。
  • プライベートも仕事も楽しみたいので。
  • 現状維持できる力をつけていけたら良いと思っている。

 

(3)能力開発 37%

  • 資格等取りたかったが、現状は少し難しい。
  • 自分の技術を高めたい。
  • 信頼される人間になりたいと考えている。
  • 視野を広げたい。
  • 興味のある資格が取りたい。
  • 自分自身が少しずつ成長していけるようになりたい。
  • 常に目標を持って働きたいから。
  • 自分自身に自信を持って仕事したい為。
  • ケアマネを取得し、その資格を活かして働きたい。
  • 社会貢献できる資格を取得したいです。

 

3.この仕事を、働ける限り続けたいと考えていますか?

 

(1)はい 63%

  • 職場が良い環境の為。
  • 身体が続く限りは続けたいと思う。
  • 好きでやっており、辞める事を考えたことが無い。
  • 今、楽しく働いている為。
  • 必要とされるなら続けていきたい。
  • 介護が自身にあっていると思う為。
  • これしかできないし、好きだから。
  • 学生の時から、介護の仕事をしたいと考えていた。
  • しゃくなげ荘が自分にとって、働きがいのある職場であるから。
  • 社会とつながっていたい。
  • プライベートを楽しむための収入を得たい。
  • 尊敬できる人たちに出逢えたから。
  • いつか腰や身体が悪くなって動けなくなったら潮時かなと思っている。
  • 仕事は好きです。
  • 安定した給与面と福利厚生、有給の取得など働ける限り働かせて頂けるとありがたいと思います。

(2)いいえ 37%

  • 今、お金を貯めて、自分の決めた年齢で退職し違う生活を始めたい。
  • 福祉だけでなく、色々な物事に目を向けたい。
  • 何とも言えない。興味がある事に挑戦したい。
  • 別の仕事をやりたい。身体に負担があるし、規則正しい生活を送りたい。
  • 体力的に長くは続けられないと思う。

 

この統計の結果、「入社当時、しゃくなげ荘で何年働こうと考えていましたか?」
の問いでは…
2~3年、4~5年と考えている職員が共に3割近くおり、合わせると全体の6割を占めていました。
自分の将来が見えなかったり、想像できないからなのだと思います。

少し前の時代では、【仕事=男社会】であり、女性は社会進出することが難しい時代でした。
“仕事は苦しいものだ”
“上に上がっていくために努力するのが当たり前”
“仕事は一生続けるものだ”
という考えであり、年功序列の社会でした。
日本の年功序列制は、長く働こうと考えている方が少ないうえに、女性が多い介護現場には馴染まないのではないでしょうか。
若い人の給料は少なく、歳を重ねるごとに黙っていても給料は上がっていく仕組みは、公平性においては問題がありそうです。
そこで、しゃくなげ荘では年功序列型賃金から職務給型への移行を目指し給与制度を改善してきました。
若い世代の収入を増やし、全体として階段を緩く上がるような給与形態にシフトしてきたものです。

更に、時代は新しい時代へと変わってきています。
“仕事は努力と根性”
というのは、時代遅れになってきています。
仕事は続けた方が良いし、年金もらうことまで考えて長く一生働こうと思っていけるように、働きかけていくのは私たち先輩の責任です。
経験の浅い職員へのサポートに力を入れ、【今の自分を活かし、人の役に立とう!】という勇気を持てるよう、無理せずに楽しみながら細く長く働けるような職場を作っていくことが求められている…そんな時代なんだと思います。
これは、昭和の価値観・年功序列の社会に対するしゃくなげ荘のチャレンジです!

広報委員 K